プロポーズの際に男性から女性に贈るのが一般的な婚約指輪。初めての経験で一体どんなものを選べばいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。また、婚約指輪として人気の高いのがモアサナイトと普通のダイヤモンドですが、どちらを選べば良いのでしょう。それぞれの違いについても詳しく解説していきます。
「モアサナイト」ってどういうもの?
モアサナイトは、ダイヤモンド以上の輝きを放つといわれている人工宝石。耐久性にも優れており、一生涯身につけるのにふさわしい宝石です。衝撃に対しての強さはもちろんのこと、表面に傷がつきにくいのも特徴です。
モアサナイトを構成している基本物質である炭化ケイ素は安定しやすく熱に強いため高い耐熱性もあるなど、靱性においてかなり優れています。油脂を寄せ付けにくいのでメンテナンスがしやすいのも特徴で、比較的長く輝きを持続させることができます。
天然のモアサナイトは隕石中から採掘されることがほとんどで、非常に希少。市場に出回っているモアサナイトの多くは質の高い人工モアサナイトであることが多いようです。
モアサナイトはダイヤモンド同様にカラー(色)・カラット(重さ)・カット(研磨)・クラリティ(透明度)を評価する4Cというグレードが存在しています。とくに、カラーとクラリティの評価によって価値が大幅に左右することが多いため、モアサナイトを購入する際にはカラーとクラリティが明記されていることを確認するといいでしょう。品質にばらつきがなく安定しており、価格が安いのもモアサナイトを選ぶメリットです。
ダイヤモンドとはどこが違う?
婚約指輪や結婚指輪として選ばれることが多いダイヤモンドとモアサナイト。見た目は非常に似ていますが、具体的にどこがどう違うのでしょうか。
︎輝き
最もわかりやすく、大きな違いはその輝きでしょう。ダイヤモンドはおもに内部反射によって明るく白い光を放つのが特徴。一方でモアサナイトは光の反射率が高く、虹色の光を放つ傾向にあります。虹色の輝きを放つダイヤモンドもありますがダイヤモンドよりも輝きが強く、直射日光や明るい場所で目立ちます。
︎硬さ
モアサナイトとダイヤモンドは原子構造が異なる鉱物で、炭素でできているダイヤモンドに対してモアサナイトはS炭素ケイ素によって構成されています。ダイヤモンドは最も硬い鉱物のひとつであり、モアサナイトよりも硬く丈夫であることがわかっています。ダイヤモンドの硬度が10であるのに対してモアサナイトの硬度は9.25とやや傷つきやすいのが特徴です。
︎価格
比較的高価な天然ダイヤモンドに比べて、モアサナイトの価格は安価であることが多いです。品質やカット、カラーなどによって高価になるケースもありますが、基本的にはダイヤモンドのほうが高価であるとされています。ダイヤモンドよりも入手しやすいというメリットもあります。
婚約指輪を選ぶならどちらがおすすめ?
ダイヤモンドのかわりにモアサナイトを婚約指輪として選ぶカップルも増えてきているようですが、まだまだモアサナイトの認知度は低いといえるでしょう。モアサナイトはダイヤモンドの偽物だというイメージを持つ人も一定数いるようで、婚約指輪に偽物は適さないためモアサナイトを避けるケースもあります。
さらに、日本では天然の宝石のほうが人工的につくられたものよりも優れており、価値があると思われがちです。人工的につくり出された宝石へのイメージがあまり良くないことが婚約指輪にモアサナイトが向かないと思われる要因でしょう。
実際に、「婚約指輪といえばダイヤモンド」や「婚約指輪はダイヤモンドでないと恥ずかしい」と考える人も少なくないのです。ダイヤモンドには鑑定書もつくため、ブライダルジュエリーとしてふさわしいのも事実です。このように考える人は天然の宝石であるダイヤモンドがおすすめですが、実はモアサナイトにもたくさんの魅力があります。
ダイヤモンドが定番とされながらも、最近ではエメラルドや人工ダイヤモンドなど婚約指輪の選択肢も多様化してきている傾向にあります。モアサナイトはダイヤモンドよりも強い輝きを放ち、ダイヤモンドには少し劣るものの十分な耐久性も兼ね備えています。メンテナンスが簡単で、なにより安価であるのが特徴です。
婚約指輪は給料の3ヶ月分という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。結婚にかかるお金は指輪だけに留まらず、結婚式や新婚旅行、新居への引っ越し、さらには新生活のことも考えなければなりません。同じ大きさのダイヤモンドと比較するとモアサナイトは約10分の1程度の値段で購入できるケースもあるため、ダイヤモンドに劣らない輝きを持つモアサナイトは魅力的であるといえるでしょう。
どうしてもダイヤモンドが欲しいというこだわりが無い人には、婚約指輪としてモアサナイトはおすすめの宝石です。
まとめ
婚約指輪といえばダイヤモンドが一般的ではありますが、モアサナイトにもダイヤモンドに劣らない良さやメリットがあります。人工的に合成されるため地球にもやさしくサスティナブルで、時代に合っているともいえるでしょう。
ブライダルジュエリーとしてダイヤモンドがふさわしいというのは固定概念やイメージであり、モアサナイトもブライダルジュエリーとして選ばれる宝石としては十分ふさわしいのです。どちらを選ぶかは価値観によって大きく変わりますが、今後はモアサナイトもブライダルジュエリーとして広く愛されていくことでしょう。