ダイヤモンドといえば多くの方がイメージする宝石のひとつでしょう。婚約指輪や結婚指輪には、ダイヤモンドの指輪がほしいとあこがれている女性は少なくありません。しかし、ダイヤモンドは希少性が高いため、高価格であるのが現状です。今回は人工ダイヤモンドの基礎知識や購入時の注意点などについて解説します。
人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違い
ダイヤモンドといえば天然の宝石をイメージする方が多いですが、近年は研究や技術の進化により人工ダイヤモンドが誕生しています。こちらでは、天然ダイヤモンドと人工ダイヤモンドにどのような違いがあるのか解説しましょう。
天然ダイヤモンドとは
天然ダイヤモンドは名前のとおり、自然のなかでうまれています。地球の深部、岩石のなかで生成されるのです。自然のなかでつくられるため色や形は一つひとつ異なります。
希少性と自然からうまれる美しさは唯一無二の魅力があり、宝石にさかんに加工されているのです。
人工ダイヤモンドとは
人工ダイヤモンドは名前のとおり、人工でつくられています。炭素は天然のダイヤモンドと同じ原子構造をもつため、人工ダイヤモンドの原料として使用されます。天然のダイヤモンドが何年もかけて生成するプロセスを、人工的かつ短期間で制御し、色や形などのコントロールによりつくり出しているのです。
人工ダイヤモンドのメリット
人工で作られたダイヤモンドにはどのようなメリットがあるのか解説します。
低価格である
人工ダイヤモンドは工場で生産できるため、危険な場所に発掘に行く必要がありません。工場で安定した生産ができるため、低価格で量産でき、一般的に天然と比較して人工のダイヤモンドは10分の1ほどの価格で購入できるのです。手軽にダイヤモンドを楽しみたいというニーズに対応できます。
美しさが安定している
天然ダイヤモンドは自然のなかでつくられるため、内包物がある、欠けているなど加工しにくいもの、価値が低くなってしまうものもあります。一方、人工のものは、工場でつくられるため、クリアで見た目が安定して美しい点が特徴です。
もともとの天然石を活用して宝石をつくるのではなく、使いやすく、加工しやすいよう設計して人工ダイヤモンドをつくり出せるため、独創的なジュエリーに活用できるメリットもあります。
環境に配慮してつくられている
人工ダイヤモンドはエシカルジュエリーと呼ばれ、注目を集めています。天然ダイヤモンドは強制労働や法外な取引、紛争の資金源となるなど人道的でない発掘作業をされているものもあり、問題とされてきました。また、発掘する際のダイナマイトの使用により、土壌汚染や水質汚染の原因につながる場合もあります。
一方人工ダイヤモンドは工場で生産されるため、環境や生産者にやさしく倫理的、道徳的に配慮してつくられたジュエリーとして注目を集めています。平和的に生産されたものを身につけたい、エシカルな生活、考え方に同調したい方は人工ダイヤモンドを身につけるのがよいのではないでしょうか。
人工ダイヤモンドのデメリットと注意点
人工ダイヤモンドにはどのようなデメリットがあるのか解説します。また、購入時の注意点についても解説しましょう。
天然物より価値は低い
天然のダイヤモンドはそれぞれが世界にひとつしかない魅力をもっています。自然がうみ出すランダムな美しさは人工では出せません。価値の高い宝石を身につけたい、将来的に売りたい、資産として家族に受け継ぎたいなどの場合は天然ダイヤモンドがおすすめといえるでしょう。
ラボグロウダイヤモンド、モアサナイトの違いを知っておこう
人工ダイヤモンドと調べると検索結果によく出てくるのは、ラボグロウダイヤモンドとモアサナイトです。自分の希望している人工ダイヤモンドを購入できるよう違いを知っておきましょう。
ラボグロウダイヤモンドは、炭素の集合体で、一般的に合成ダイヤモンドといわれています。一方、モアサナイトはダイヤモンドにも劣らない人工の宝石です。
隕石を研究した結果、炭素に似た炭化ケイ素という結晶であるとわかりました。モアサナイトは発見後さまざまな研究がなされ、炭化ケイ素から人工でうみ出された宝石です。ラボグロウダイヤモンドは人工ダイヤモンド、モアサナイトはダイヤモンドをこえるかがやきをもつ宝石といえるでしょう。
購入時の注意点
ラボグロウダイヤモンド、モアサナイトはどちらも日本ではあまり普及していません。人工ダイヤモンドとして、両方とも販売している場合もあります。購入を検討している場合は、どのようなものを買いたいのかしっかり決めておきましょう。
人工のダイヤモンドでも鑑定書がついているケースがあるため、鑑定書の有無の確認が重要です。カラット数やカラー、製造方法などの情報が記載されていれば信頼性があります。
人工ダイヤモンドは評価基準によって価格が決まります。評価基準と鑑定書の情報を比較し、適正価格で販売されているかも確認しましょう。
一方、天然のものを購入する場合には、鑑定書に産地やカラット数、カラーなどが記載されているか確認することがおすすめです。
まとめ
ダイヤモンドといえば、宝石の中でも透明感やまばゆいきらめきがあり、世界中で多くの方に愛されてきた宝石です。自然のなかでうみ出され、同じものがひとつとして存在しない希少性も魅力といえるでしょう。しかし、紛争の種となったり人員が強制労働させられたりと、倫理的な問題のもと発掘されてきた背景もあります。
人工ダイヤモンドは、工場で安全・安定的に生産できるため、エシカルなジュエリーとして魅力があります。違いを理解した上で、どのような宝石を購入するのか検討しましょう。